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親と自分の生老病死を思う5選*夏の100冊(18)

「る印 夏の100冊」第18回は、親と自分の生老病死を思う作品5つです。生老病死とは仏教でいう人間が逃れられない四つの苦しみ。

親は「老親」と呼ばれる年齢となり、自分は良くも悪くも人生ど真ん中。そういうことを思うお年頃になったということでしょう。

 

「る印 夏の100冊」とは、私が好きな本をご紹介する不定期企画です。詳しくは、第10回までのまとめページを参照。

る印 夏の100冊(1)-(10)まとめ*心からすすめたい本 / 三姉妹がはまったジャンプ黄金期5選*夏の100冊(11) / 女性作家が描く青年マンガ5選*夏の100冊(12) / 暑い夏を涼しくする横溝正史5選*夏の100冊(13) / 遠い夏の記憶を描く長編作品5選*夏の100冊(14) / 視覚に訴えるシンプルライフ本5選*夏の100冊(15) / スイスイ読めて爽快な有川浩5選*夏の100冊(16) / 小学生~思春期の育児本5選*夏の100冊(17)

 

 

『母を送る、母に贈る』横森理香

著者からすい臓がんに苦しむ母への最後の贈り物、決して暗くない今どきの看取りです。私も母ががんを患い、その時を覚悟しなければ、それまで何ができるかと手に取りました。

何かしてあげたい、でも代わってあげられないと、ある意味距離をおく心情がよくわかります。リッチなプレゼントができなくても、親の死をどう受け止めるか参考になりました。

 

 

『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』伊藤比呂美

著者はアメリカ在住の詩人・エッセイスト。太平洋を渡って熊本の老親を遠距離介護する日々を、散文のような物語のような文体でつづります。

母親も父親も、娘も夫も、みんな苦しんでいて著者におんぶにだっこ。自分の病気なんか大ごとにしているヒマはない。でも、そのもがき苦しむ様子に、突き抜けたような不思議な解放感を覚えます。

 

 

『がんから始まる』『四十でがんになってから』『がんから5年』岸本葉子

順に、告知から1年間、治療後2年め、3年めから5年半が過ぎるまでの作品。40歳でがんになった著者が、冷静な抑えた表現で、病を受容しつつ病に支配されない生き方を模索しています。

告知された著者が、心配かけずにすむから母が亡くなった後でよかったと思う箇所があります。私の母も病気をして同じことを言っていました。そして母を亡くした私も「この先どんな不幸があっても、それを母に知られずにすむ。」という感覚があります。

 

 

『あしたはワタシのお葬式』まついなつき

お墓、戒名、自然葬、生前葬、遺言といった深刻な話題を、おもしろくわかりやすく考えるマンガ&エッセイ。自然葬のルポと著者のマンガの遺言書が特によかったです。

いつかの死は明日かもしれない、だから生きている今日を大切にしたいと思える、元気が出てくる本です。

 

 

『わたし時間のつくり方』金子由紀子

自分の人生=命の持ち時間を、いかに充実させるか、いかに充実していると感じるか。そんな視点の、ふつうの人のための時間術。やさしい語り口ですが、内容は深いです。

命の受け継ぎの箇所は、子どもがいるとわかりやすいですが(そんな気がしますが)、もしいなくても「生命の連続性」を意識できれば、きっと自分に響いたと思います。

 

 

以上、「る印 夏の100冊」第18回は、親と自分の生老病死を思う作品5選でした。

では、また。第19回をお楽しみに。

 

※昨日の記事が、にほんブログ村シンプルライフカテゴリーの注目記事になりました。本当にありがとうございます。

rujirushix.hatenablog.com

 

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