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遠い夏の記憶を描く長編作品5選*夏の100冊(14)

「る印 夏の100冊」第14回は、今となっては遠い、しかし忘れてはいけない夏の記憶を描いた長編作品5つです。 今年は日航機墜落事故から30年、そして終戦から70年です。

人間とは何かを問う、重厚な作品ばかりです。これらを読んで思うのは「無知は罪」ということ。知ること、忘れないことが、現在を生きる者として大切なことだと思うのです。

 

「る印 夏の100冊」とは、私が好きな本をご紹介する不定期企画です。詳しくは、第10回までのまとめページを参照。

る印 夏の100冊(1)-(10)まとめ*心からすすめたい本 / 三姉妹がはまったジャンプ黄金期5選*夏の100冊(11) / 女性作家が描く青年マンガ5選*夏の100冊(12) / 暑い夏を涼しくする横溝正史5選*夏の100冊(13)

 

 

沈まぬ太陽山崎豊子

日本航空と墜落事故を取材し「事実を小説的に再構成したものである。」そうです。フィクション・ノンフィクションの境目の作品です。

全5巻で、第3巻が「御巣鷹山篇」ですが、ぜひ前後のアフリカ篇、会長室篇も読んでほしいです。ノンフィクション的作品だからこその、善悪の決着が着かないラストですが、企業とは、人の生き方とは、良心とは、いろいろなことを考えさせられます。

 

 

クライマーズ・ハイ横山秀夫

新聞記者時代に遭遇した、日航機墜落事故取材の体験を基にした小説。他作品に比べるとミステリー要素はないですが、作者がどうしても書きたいテーマだったことが伝わります。

業界ものであり、新聞制作の内幕や社内の火花が散りそうな人間関係がリアルに描かれます。そこに起こった未曾有の大事故。事故の凄惨さは墜落現場ではなく、受け取る立場(一番目の受け手・デスクである主人公)からの視点です。

 

 

大地の子山崎豊子

中国残留日本人孤児、陸一心=松本勝男が主人公。中国に忠誠を誓いながら、日本人という出自に苦しめられる彼が、最後に下す決断は。

陸一心の苦難、養父母の愛、妹との再会と、涙なしには読めません。と同時に、中国近現代史を学ぶことができます。

上川隆也主演でテレビドラマ化されました。かなりダイジェストになっていますが、とてもよかったです。

 

 

はだしのゲン中沢啓治

広島の原爆投下を描いた少年マンガ。学校の図書室で「あっマンガがある~」とうっかり手に取り、読んで衝撃を受けた子どもはたくさんいると思いますが、私もまさにその一人です。

残酷な表現もある作品ですが、子ども含めすべての人間が、その残酷な歴史を知るべきだと思います。

 

 

アドルフに告ぐ手塚治虫

手塚作品の中でも、特にシリアスな歴史大作マンガ。第二次世界大戦を背景に、アドルフ・ヒトラーと同じ名を持つ、二人のアドルフ(ナチス党のアドルフ・カウフマン、ユダヤ人のアドルフ・カミル)を描きます。

サスペンス的なエンターテイメントでもありますが、内容は深いです。戦争、対立、憎悪、人間の愚かさと悲しさが表されており、作者の平和への願いを感じます。

 

 

以上、「る印 夏の100冊」第14回は、遠い夏の記憶を描く長編作品5選でした。

では、また。第15回をお楽しみに。

 

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