スイスイ読めて爽快な有川浩5選*夏の100冊(16)
「る印 夏の100冊」第16回は、スイスイ読めて読後がすっきり爽快な有川浩作品5つです。すべて映像化されています。
私はミステリーが好きなのですが、それ以外ではよく読む作家です。謎解き無しで、一気に引き込んで読ませます。少女マンガ的ベタ甘ラブ要素と、元気が出てくる読後の爽快感が魅力です。
「る印 夏の100冊」とは、私が好きな本をご紹介する不定期企画です。詳しくは、第10回までのまとめページを参照。
る印 夏の100冊(1)-(10)まとめ*心からすすめたい本 / 三姉妹がはまったジャンプ黄金期5選*夏の100冊(11) / 女性作家が描く青年マンガ5選*夏の100冊(12) / 暑い夏を涼しくする横溝正史5選*夏の100冊(13) / 遠い夏の記憶を描く長編作品5選*夏の100冊(14) / 視覚に訴えるシンプルライフ本5選*夏の100冊(15)
『図書館戦争』
メディア良化委員会と図書隊が抗争を繰り広げる、架空の近未来日本が舞台。「熱血バカ(心は純情乙女)」郁と、その上司「怒れるチビ」堂上はじめ図書隊の奮闘を描きます。
秋に映画化2作目が公開される、大人気シリーズ。マンガ化・アニメ化もされています。
表現の自由という深いテーマで読んでも、もちろんいいのですが、お楽しみはラブコメ部分というファンも多いのでは。エピソードによっては、鼻血注意の激甘っぷりです。
『阪急電車』
片道わずか15分、関西のローカル線で起きる小さな人間ドラマをつないだ、オムニバス連作。映画化されました。
ある一人の小さな行動が、小さな奇跡を起こし、また別の誰かへつながる連鎖がおもしろく、軽快に読めて心温まります。
『県庁おもてなし課』
県庁「おもてなし課」若手職員が、地元に観光客を呼び込む仕事を通して成長していく物語。こちらも映画化されました。
私はこの作品は、ラブ要素を入れなくてもよかったと思います。観光エンターテイメントとして、お役所業界ものとして、十分楽しめます。作者の郷土愛があふれており、高知県を訪ねたくなること間違いなしです。
『フリーター、家を買う』
スネかじりのフリーターが、母親のうつ病を機に一念発起。仕事を通して成長し、家族を再生していく物語。私にとって最初の有川作品で、スイスイ読めておもしろくて、驚きました。
ドラマでは、ニノが浅野温子の手を取って、ハンドクリームを塗るシーンがツボでした。「あら~こんな息子、ウチにも欲しいわ~」みたいな(ウチは娘しかいませんが・笑)。おばちゃんのメルヘンですね。
『三匹のおっさん』『三匹のおっさん ふたたび』
還暦を迎えたかつての悪ガキ三人組ー剣道の達人キヨ、柔道家シゲ、頭脳派ノリーが、ご町内の悪を成敗する痛快活劇。ドラマ化もされた、現代の『水戸黄門』です。
三人の「おっさん」のキャラはリアルではないけれど、出会う事件は、ゆすりたかり、動物虐待、万引き、不審火など、現代的でリアルです。三家族、三世代の人物が多様で、物語の幅を広げています。
以上、「る印 夏の100冊」第16回は、スイスイ読めて読後が爽快な有川浩5選でした。
では、また。第17回をお楽しみに。
↑お手数ですが、クリックしていただけるとうれしいです。