実家の片付け3*いい食器の中から間引く
実家の片付けを振り返っています。年に一度の帰省の数日間、子どもの昼寝の時間に、毎年少しずつ進めました。
Image
今までのような「お客さん」状態でなく、自分でも料理をやるとなれば、私にとってのキッチンの使い勝手も大切です。
ただし、鍋・フライパンには手を出しませんでした。鍋類はその家の主婦の思い入れが強く、作る料理や手順を真剣に検討しないと残す物をしぼれません。処分するハードルが高い物なので、よく使う鍋を取り出しやすく整理するだけにしました。
そして、消耗品のストックが多いです。ラップ・ビニール袋・チャック袋などなど、あちらこちらに点在していました。在庫が見て分かるようになれば、買い過ぎることもないのでは・・という祈りを込めて、一箇所に集めて整理しました。
食器がすごい数なので、減らしてもらいました。
まずは、引き出物などもらい物の大きな食器。老夫婦二人暮らしで、お客さんを嫌がるので、子どもと孫たち以外は誰も来ない家です。それなのに、連日ホームパーティーができるぐらい大皿だらけ。重いし、完全に死蔵されているので、処分です。
次に、一つだけなど半端な食器も処分。
さて、こういう分かりやすい物を除くと、ここからが難しいのです。カンタンに「使っていない食器は処分しましょう」といっても、ほとんど使ってない。そして母が今すぐ、ほとんど処分するわけはない。
年寄りにはよくある話だと思いますが、ふだんよく使う食器は、むかし銀行でもらった景品や100円ショップの物で、いい食器は全く使わずにしまいっぱなしだったりします。
そして、よく「いい物こそ、ふだん使いにしましょう」と本に書いてあったりしますが。母にとっては、ふだんは割れても惜しくない食器で、いい食器はお客さん用に取っておく(たとえめったに来なくても)、これが揺るぎない価値観で、心が安定する状態なのです。
人間、特に年をとると、自分の価値観、いつもの日常がくつがえることを嫌います。
こうなると使わない物こそが、高い物、質的にいい物、デザイン的に素敵な物。その中から処分してもいい物を選ぶのは、とても難しいのです。
相談・説得しながら、使いにくい・洗いにくい・重ねにくい物を少しずつ除けていきます。ぎっしり詰まった食器棚が、取り出しやすくゆとりができるまで、少しずつ間引いていきました。
形がバラバラで大量にある保存容器は、母と相談しながら少しずつ減らし、半分ぐらいまでにしました。しかし、それでもウチよりかなり数が多く、しかも重ねられないタイプなので、体積だと数倍になります。
便利グッズはほとんど処分しました。「あったら便利」は「なくても平気」です。景品などもらい物が多く、取説を読んで使う熱心さはないのです。便利に使いこなせるわけがありません。
逆に、私が増やした物もあります。ステンレス製のパンチングザルを、自腹で買い足ししました。実家のザルは古いプラスチック製が多く、衛生的に不安だったのです。その代りたくさんある中から、劣化している物、あまり使わない物を処分したので、総数では減りました。
こんなにいろいろな物があるのも、たっぷり収納できるキッチンで、とりあえず置く場所があるからです。
これを機会に、手が届きにくい上部の収納は完全に空にして、モノを置かないようにしました。
実家の片付けは、数年かけて、こんなふうに進めていきました。1回にかけられる時間はわずかで、年に一度の細切れの作業なので、次に行ったら元に戻っていることもありました。
実家が劇的に変わることはありませんでした。
しかし、自分の居心地はわずかずつでも向上しました。そして、母が(結果的に最期の数年を)気持ちよく過ごすためにも、きっと役に立ったと思っています。
↑お手数ですが、クリックしていただけるとうれしいです。